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指宿温泉 「里の温泉 吉乃湯」。
2006年9月15日、指宿市湯の浜にオープンした公衆浴場。
指宿に頻繁に訪れる管理人ではあるがこの日まで全く気付かなかった・・・。
(吉乃湯さんごめんなさい)
2006年10月某日。とある方からメールを頂戴した事で吉乃湯をお伺いする事となった。
「指宿にこぢんまりとした銭湯がオープンしました。六三四さん知ってます?エヘッ」
文末の 「エヘッ」 がさすらいの温泉侍の勘に触ったのは言うまでもない・・・。
と、まあ冗談はさておき情報を元に指宿に向かった。
指宿駅前を山川方面へ。丹波小学校前を過ぎるとすぐに黄色い暖簾の吉乃湯を見つけた。
片側一車線のこの道は温泉ホテルが立ち並ぶ湯の浜温泉通りの1つ手前の道路にあたり
おそらく観光客は見逃すのでは無かろうか・・・と自分に言い訳を探す管理人であった。
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湯の里温泉 吉乃湯 |
情報通り本当にこぢんまりとしている温泉である。
道路に面した正面ロビーで料金¥300を払い、別棟の浴室へと向かった。
浴室へ続く通路には飛び石が並ぶ。そこで昔懐かしい井戸ポンプを見つけた。
なめらかな曲線を描く取っ手、青銅色のシックな色合いは 「俺を触ってくれ」 と管理人に呼びかける。
「キコ、キコ、キコ・・・」 気付いたら取っ手を握りポンプを動かす管理人がいた。
「子供たちが面白がって何回も動かすもんですから故障が耐えないんですよ〜。」
と笑いながら温泉オーナーの奥さんに後ろから声をかけられた。
絶対に人に見られていないと根拠の無い確信で無邪気にポンプを動かしていた管理人。
しかも何回も何回も動かしていた・・・。
「そ、そうなんですか〜いや〜懐かしくって 『ちょっと』 触ってみました・・・ははは」
こういう時は笑ってごまかすのが一番である。
世の中をいい加減に渡ってきた管理人の処世術である。
フッ・・・楽しいものは大人も子供も変わらないものさ。とまたもや言い訳を見つける管理人だった。
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子供たちに人気の井戸ポンプ |
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吉乃湯には和風と洋風風呂の2つの浴室があり、奇数日と偶数日で男女入れ替えになる。
訪問日の男湯は和風風呂。
新しい木の香りが漂う脱衣所には無料のドライヤーが置いてあった。
このドライヤー1つに温泉経営者の利用客に対する気持ちが現れている。
そう感じるのは管理人だけだろうか?
管理人はドライヤーを使わないのだが有料のドライヤーを見ると毎回違和感を感じる。
温泉経営は大変だという事は十分承知しているつもりだが
やはりこれくらいは利用者への最低限のサービスという点で考えてもらえれば・・・
但し、その配慮を無下にしてドライヤーを持ち帰る 『たわけ』 には薩摩拳骨を食らわして良い。
小心者であるのに関わらず決まり事をほとんど守らない無法者の管理人が言うのも何だが
温泉だけでは正義の味方スーパーサイヤ人4ゴクウなのである・・・。
さて、馬鹿話はここまでにして浴室の話に移ろう。
シンプルな外観とは裏腹に浴室は露天風呂を備えた本格的な造りになっていた。
内湯は緑と黒の鉄平石を用いた床と掛け流しのお湯が渋みを演出していた。
上壁には檜が使われており檜独特の香りも愉しめる。
そしてオーナーが箱庭と称する竹を中心にした植栽が美しい露天風呂。
こちらの浴槽にも黒の鉄平石を使用しており男性客には大変好評だそうだ。
飽きがこない落ち着いた色合いであり管理人も個人的に好きである。
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和風露天風呂
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自家源泉から供給される質の高いお湯を堪能した管理人は再びロビーに戻った。
休憩室も兼ねたロビーには無料のマッサージ機、そして麦茶のサービスがある。
湯上がりに頂く冷たい麦茶は最高に美味い。ビールに勝るとも劣らないとまでは言わない (わらい)
ただ、こういうさりげない心配りが管理人はたまらなく好きで嬉しく感じるのである。
以前、指宿を訪れた観光客にどこか公衆浴場は無いかと尋ねられた吉乃湯オーナー。
市営の公衆浴場を紹介すると、そこは行った事があるので他に無いのかとの問い。
しかし残念ながら当時、湯の浜地区には他に公衆浴場は無かったのである。
指宿湯の浜地区には立派な温泉ホテルや宿は多く存在している。
だが砂むしだけでは満足できない観光客もおり外湯を求めて街を散策する。
黒川温泉のような観光型温泉街は残念ながら鹿児島にはまだ存在しない。
妙見温泉観光協会が入湯手形 「湯路 (ゆーろ )」などの取組みを行っているが、
いまだ街としての温泉の活用には至っていない。
(これも一部の宿が協力しておらず完璧な外湯システムとして成立していないのが現状)
温泉の町指宿をもっと愉しめる外湯をここ湯の浜に作ろう、そしてゆっくり温泉に入ってもらおう。
吉乃湯オープンのきっかけはオーナー夫妻の温泉地指宿を愛する心から生まれたものだった。
湯の浜で尋ねられたら 「吉乃湯 がありますよ。」 そう答えようと管理人は吉乃湯を後にした。
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湯上がりに麦茶をどうぞ |
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